2023年12月– date –

「『くっ……！　ここまで、か……』 もう満身創痍で立っているのもやっとの状態だ。 ここから戦うなんて……さらに勝つなんて天地がひっくり返っても無理だ。 『やれやれこの程度ですか？　猛将とうたわれているからどれほどの猛者かと思えば……正直なところ期待...

「ふむふむ……なるほどねー」 修也の話を聞きながらメモにさらさらと何かを書き込んでいく瀬里。 「うーん確かにちょっと普通じゃないねぇ。理性が吹っ飛んでる感じがするよ」 「ああそうか、理性のタガが外れてるってのが一番しっくり来るな……というか何で...

クリスマスが近いので描いたサンタコス蒼芽。 作中にこんなシーンは無いですけど描きたかったもので……

「え……こ、こ、こ……婚約……？」 修也は普通に生活していたら今の時点では耳にすることの無い単語に言葉を詰まらせる。 「婚約って……アレ？　あの将来結婚を約束するっていう」 「うん、まぁそれしかないよね」 修也の問いに対して華穂は俯きながら答える。 ...

「『くっ！　やめろ、来るな！』 必死に後ずさりしながら叫ぶが、そんなことで止まってくれる連中ではない。 分かっている。分かっているけど叫ばずにはいられない。 今目の前には逃げ道をふさぐために、半円状に陣を組んでにじり寄ってくる敵がいる。 奴...

「お話の途中だったのにすみません、猪瀬さん。友達の姿が見えたので挨拶しておこうと思いまして」 そう言って猪瀬と呼ばれた男子生徒に軽く謝る華穂。 （ん……？） 修也は今の華穂の言動に違和感を覚えた。 （何で華穂先輩、敬語を使ってるんだ……？） 華穂...